コーディネート3原則についてご説明いたします。


コーディネート3原則

上達屋には、1993年の創業以来変らない「コーディネート3原則」があります。

「ほめず、教えず、助言せず」

先述した、高度で精密かつ神秘性を持つヒトの運動回路・原理への畏敬の念が深まるほど、
「可能なかぎり選手の持つ素材を活かす」ことの重要性を感じています。

さらに、人が人と接する際、もっとも大切なことそれは承認。充分であることも、不充分
であることも、それぞれに認めることで、今を肯定し、未来の歩みにつながると考えます。
その発想が「ほめず、教えず、助言せず」の3原則につながりました。

まず、ほめる・・・の裏には下心が見え隠れします。ほめることにより、なにかの見返り
を忍ばせている。
それは、いずれ選手に見抜かれます。
上達屋では、ほめるのではなく”認め”ます。その選手のパフォーマンスを、的確なメソ
ッドと充分な経験に裏打ちされた専門家として認めさせていただいています。いえ、それ
以前に、その選手の考え方や取り組み方に耳を傾け(傾聴し)、生き様と存在意義自体を
承認させていただくことが、われわれの使命だと考えています。

また、スポーツ上達の本質に近づけば近づくほど、スポーツパフォーマンスは「教わると
下手になる」ことに気づかされます。
教わるということは、大脳皮質でそれを受け取ることを意味します。ところが、運動の制
御の主役は、小脳以下の下部中枢。脊髄反射などの”考えないでかってにカラダが動く”
ことを担当する部位が司令塔となっているのです。
もし、教わって上手くなろうとするのなら、それを認知した大脳から、スムーズに情報を
小脳以下に受け渡し、それを神経と筋肉までつながらせ、そのスポーツに要求されるスピ
ードで実現できなくてはなりません。

これは極めて困難なことです。なぜなら、大脳と小脳では情報処理やその保管方法やその
出力方法が異なります。現在の脳科学でわかっているのは、小脳とは体験した失敗を切り
捨て切捨てしつつ、そのなかで失敗しなかった方法を、認知⇒保存⇒出力することで、400
もの筋肉を統合制御している器官であるらしいということ。つまり、教えられることで学
習し自転車の乗り方を覚えていくのではなく、試して転んで痛みを伴いながら、「そうは
ならなかった方法」を記憶しておいて数十年経ってもそれをとりだして乗ることができる
という仕組みなのです。

なので、運動学習者は”失敗”を経験することが不可欠なのです。
上達屋では、教えずに効果的なメソッドや理に適ったカラダの操り方を習熟しやすくなる
操育体操を用います。これは、多くの習熟者(アスリート)たちが採用しているパフォー
マンスからそのエッセンスを抽出したモノです。これをを習慣化することで、小脳以下の
中枢部に取り込む作業をできるだけ短時間で実現します。

もし、100%の精度でこの運動ができるなら、その選手の小脳以下⇒神経⇒筋肉には、すで
に理に適ったカラダの操り方が存在していることになります。
もし、そうでなくて、最初の頃はうまくいかなかったり、違和感を感じたりするというこ
とは、すなわち”うまく行かない失敗を体験”できているということ。その段階を経て小
脳は効率化を学習し、習慣化そしてゲームやレースを想定した訓練によって、本番でアウ
トプットできるホンモノのパフォーマンスのレベルに仕上げていきます。

さらに、教えることが善き結果を導けない理由は、われわれヒトが歩んできた進化の過程
と関係があります。繰り返しになりますが、ヒトの運動の仕組みの本質を知れば知るほど、
その行為の高度な精密かつ神秘性に畏敬の念を抱かずにおられず、またその回路の洗練は
われわれが後から教えて上手くなるモノではなく、気の遠くなるほどの歳月の中で培われ
継承され続けてきた運動原理の上で走るすでに備わったモノの効率的引き出し作業にお手
伝いさせていただいているだけであることをあらためて知らされことになるのです。

スポーツでは、このヒトの進化の過程で培ってきた運動器としてのカラダの操作方法に準
じそれを活用・転用することでパフォーマンス発揮を行っています。
なので、反復練習やドリルや体操の習慣化によって、その運動様式や回路を活性化し精度
を上げることでパフォーマンスが向上することはあっても、人から上手くなる方法を大脳
皮質を介在させて教わると、むしろその本能的な運動様式や回路をジャマすることになり
かねないのです。

ですので、スポーツにおいて教える(教わる)という取り組みは、躾のできていない子ど
もに正しいあいさつの仕方を教えたり、外国人にバス乗り場を教えたり、ゲーム前に盗塁
のサイン教えたりという、大脳皮質が処理すべき情報処理とはまったく異なる種類のアプ
ローチであることを知るべきでしょう。
スポーツの上達方法を教えることは、小脳以下の中枢に刻み込まれた本能的運動サイクル
を大脳皮質から指令のよって混乱させるかもしれません。しばしば選手は「頭でっかち」
で「躍動感の欠如した」プレーぶりとなったり、「イップス」や「パニック」に陥る危険
性もはらんでいます。
「ゾーン」とは真逆の低レベルパフォーマンス状態は、指導者や親の教え過ぎも一要因な
のです。

最後に、助言(アドバイス)は、選手が欲しいときだけに心に染みます。
ほとんどの選手は、うまくいっているときにアドバイスを必要としません。
また多くの選手は、うまく行ってないようなときにも、もう自分ではどうしようもない・・・
という状況まで追い詰められないと、人からの的を得た助言はおせっかいに聞こえるもの
です。

なので、助言はタイミングが重要なのです。
そのときが来るまで、じっと待つ。アドバイスが必要な状況に陥ってから、半年や1年間
待つことはあたりまえで、数年間相手が欲するまで待つこともあります。
なぜなら、それが上達への一番の近道だと、われわれは知っているからです。

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