キッズクラス卒業生レポート

このままいくとまさか222km/h

キッズクラス卒業生レポート このままいくとまさか222km/h?

幼児体操教室で今何が行なわれているのか?

3歳からずっと操育プログラムを継続中のしゆう君。

彼が上達屋キッズスポーツクラスにやってきたのは、2014年の9月のことでした。実は、それまでの数ヶ月、ママが見つけてきた”運動神経が良くなる”というあるスポーツ教室に通っていた彼。たまたま、平日のクラスの振り替え日となったある土曜の朝。この日はパパがその習い事にしゆう君を自転車で送っていくことになりました。

ところが、そこでパパが見た光景は・・・

自分の番になるまで、部屋の端っこでみんなといっしょに並んで体育座りをして自分が呼ばれるのを待つしゆう君。その光景はまるで、サーカスの動物たちが芸を仕込まれる順番を無言で待っているかのような風景。

そして、しゆう君の番がやってきて、彼は低い平均台の上をバランスを取りつつ輪っかを上手にくぐって(ホントにサーカス?)からジャンプで着地。

普段の好奇心旺盛な眼差しとはまるで別人のような死んだ魚のような目で、もくもくと平均台の上の輪をくぐっては定位置に体育座りし、また呼ばれてスゴスゴと芸の訓練・・・ではなく巧緻性を磨くわが子を目の当たりにし、

「いったいこの子どもらしい”夢中力”を吸い取ったかのような営みに、なんの意義があるのだろうか・・?」と唖然としたのです。

スポーツって習い事だったっけ?

それはまるで、スポーツ嫌いの子どもたちを量産することが目的・・・?

と疑いたくなるような、大人(指導者・経営者)側の都合優先のスポーツとの触れ合いの時間。

パパがこの「スポーツ習い事」からしゆう君を遠ざけることを決断するまでに時間はかかりませんでした。

上達屋キッズスポーツクラス

実はそれまで上達屋では、マンツーマンコーディネートしかありませんでした。このような幼少期のお子さんをお持ちの親御さんからの問い合わせに、

そうですね。弊社のマンツーマンは早ければ小学校3年生辺りからスタートできるようになります。幼稚園児はまだ早いかと・・」

といった具合に、操育体操などの上達運動が確実にこなせる年代になり、なおかつ技能向上への意欲が涌くようになってからのマンツーマンコーディネートをお薦めしていたのでした。

「チームに入って、上手くなりたいと思うようになってからまたきてね」

幼稚園からでは遅い?「操育プログラム」

パパは、ひらめきました。「そうだ、上達屋のメソッド(操育プログラム)を、3歳児のキッズ世代用に転用し、キッズの運動神経を向上させるクラスができないだろうか・・?」

7月までにそのプログラムを立案、しゆう君の幼稚園のお友達に協力してもらい、テストを行います。そこで得たモノは、子どもたちが夢中で駆け回り・投げ続け・打ち続け・飛んで跳ねてクタクタになるまで夢中で運動を楽しむ姿との出会い。

「いける!2歳からでも、工夫によっては操育プログラムは有効だった!9月の新学期が始まるタイミングで『キッズスポーツクラス』をはじめる!」

上達屋キッズスポーツクラス

2歳児から6歳児までを受け入れる上達屋初のグループプログラムの試み(東京工房)が生まれた瞬間です。あの日、目にしたあの習い事の風景に感謝です。すばらしいヒントをいただきました。ありがとうございました。

最初は、月曜日15時〜の1クラスからのスタート。最大6名の少人数制で、すべての子どもたちが待ち時間なく常に運動を競い合い楽しめるようプログラム。また合間合間に操育体操を交えサンドイッチすることで、無意識下でかってに運動神経を向上。さらには、月に一度の計測日を設け、ボール投げのスピード測定と、かけっこのタイム計測を継続し、それをグラフ化してプレゼントするようにしました。

年間13km/hスピードアップする「上達屋キッズ」

こちらは、しゆう君の2年と7ヶ月のボール投げスピードのグラフです。

しゆう君の2年と7ヶ月のボール投げスピードのグラフ

彼の記録は、24q/h(3歳)からはじまり、31ヶ月後には63q/h(6歳)を記録するまでに能力を開発することに成功しました。

このキッズクラスを体験したお母さん方の評価を得て、口コミで広がり、現在(2018年)では7クラスが満員の状態、合計42名のキッズ世代がスポーツに夢中になりながら運動神経を磨いてくれています。

また、このクラスから派生する形で「スーパーキッズクラス(小1・2の野球)」や「ジュニアクラス(野球)(ラグビー)(マルチスポーツ)」や「大人クラス(野球・テニス)」などが生まれ、現在では合計24クラスのグループレッスンが稼動する、上達屋のマンツーマンと肩を並べるもう一つのプログラムとして、たくさんのゴールデンエイジの方々に活用いただいてます。

2年7ヶ月間で時速39kmUP!

2歳から上達屋でボール遊びを始め、3歳のキッズクラスではじめて計測したボール投げのスピードは時速24kmでした。

その後、月4回×30分間の操育習慣が2年と7ヶ月続き、6歳の3月で卒園。それと同時にキッズクラスも卒業です。このときのボールスピードの記録は時速63km。生まれてはじめて計測した2年7ヶ月間で時速39km成長していました。

このキッズクラスでいろんな身体活動の喜びを知ったあと、小学校に上がるタイミングで、野球のパフォーマンスに焦点を絞った「スーパーキッズクラス(小1・2)」や「ジュニアクラス(野球小1〜中3)」やさまざまなスポーツを通じて運動神経を向上させる「ジュニアクラス(マルチスポーツ)」へと移行が可能です。

野球は選ばなかった?

でも、しゆう君はどのクラスも選びませんでした。

理由は、6歳までの間に、野球や体操やかけっこなどのスポーツ種目よりも、もっと夢中になれる大好きな種目に出会ったから。そして、その大好きなスポーツ種目は、当時上達屋にはジュニアクラスがなかったから。

彼が一番好きになったのは「ラグビー」でした。

彼は、パパに頼んで、幼稚園を卒園する3月に、遠く離れた街のラグビークラブに体験に出かけました。

そこでいきなり、生まれてはじめてのフルコンタクトラグビーのゲームに出場。それまでは、大好きなプレーヤーのマネっこ遊びだったラグビーを今自分が実際にプレーしていることへの興奮に酔いしれていました。

一発で、このスポーツの喜びにはまったしゆう君。それからは、毎週日曜日だけでなく、平日もあらゆるチャンスを見つけてはラグビーで遊びます。家に帰って、夜の8時30分になると、パパとの習慣「操育体操」です。3歳から続けているこの習慣は、毎日の日課になっています。

ただ、小学校入ってからは、野球のボールを投げる習慣はなくなりました。しゆう君は、いつしか楕円球だけに夢中の日々を送るようになっていました。

ボールを1年半投げなかったその結果!?

それから1年半。野球のボールを投げなくなってからずいぶん経った7歳の夏休みのこと。

9月に予定されていたパパが担当するとある指導者講習会で、子どもの投球シーンの映像が必要になり、モデルをしゆう君に依頼したのでした。

久々に投げる野球のボール。ところが、スピードは前より出ている感じ。コントロールも1年半前と変わりません。計測するとなんと、予想を超える時速79kmを連発!

おやおや、ずいぶん速いボールを投げるようになっているではありませんか!さっそく、しゆう君がキッズクラス時代にその伸び率を確認していたグラフにその値を反映させてみると・・・なんと、1年半のブランクがあるにも関わらず、数値の伸び率はまったく落ちてなかったという結果に。彼は、キッズクラス時代も、クラスを卒業し、ボールを投げなくなってからも年平均で約時速13kmずつ順調に(?)伸びていることがわかったのです。

これはとても不思議なことで、投げた本人の驚いた模様。野球をやってない、ボールを投げてないにも関わらず、ボール投げの記録が伸び続けた理由は、いったいなんだったのでしょう?

いくつかその要因は考えられます。まず、彼が3歳ずっと続けてきた、毎夜8時30分からの日課になっている「操育体操」の成果。彼は、幼いころからいろんな種目のアスリートたちが行う操育体操を、間近で見る機会に恵まれてきました。つまり、スポーツをやるのなら、生活の中でこの体操を習慣にすることは当たり前のことだったのでしょう

もう一つは、キッズクラスを卒業する時点で、理に適った投球メカニクスがほぼの完成の域にあったこと。多くのプロ野球投手は「自分の投げ方の基礎はいつぐらいに出来上がっていたか?」の質問に「小学校の頃にはほぼ完成していた」と答えます。投げる、すなわち「ピッチ」というパフォーマンスの原型は、かなり幼い世代に完成してしまう類の身体操作かもしれない可能性があるのです。

なので、理に適った投げ方の基礎部分を幼い時代に整備しておき、それに加え、カラダの操り方を日々磨く習慣を持ち、そのあと加齢に伴いサイズ(身長・体重・筋力)が順当に成長したならば、あとはかってにスピードは増すという仕組み(カラクリ)だったのです。

毎年の時速13kmずつ伸びている計算に!

んんん? ちょっと待てよ?毎年の伸びが時速13kmということは、彼の骨端線が閉じ、サイズ的なカラダの成長が終わる18歳の頃まであと11年ある。もし、このまま順調に毎年時速13kmずつボールスピードが伸びたとしたらいったい・・・?

操育プログラムを継続中のしゆうくん球速想定グラフ

222km/h!?

まあ・・・なんと言うことでしょう?いくらなんでも222km/h はない・・ないはず・・・。

でも、20年前に、高校生投手が時速160kmのスピードボールを投げる日が来ると信じられた人はいたでしょうか?

「いや、高校生でも、193cmの身長とルーズジョイント(緩めの関節)と、理に適った投球メカニクスと、両親から受け継いだ筋収縮のレベルがそろえば、時速160kmは可能だ」などとほざけばきっと、「バカも休み休み言え」と一笑に伏されたことでしょう。

大谷翔平選手ボールスピードの推移(インターネットからの情報から推測)

大谷翔平選手ボールスピードの推移(インターネットからの情報から推測)

20年前は、高校生が時速140km台を出せば、プロ注目選手として野球のメディアに載り騒がれた時代です。

いえいえ、しゆうのパパは高校時代(37年前)に県予選の決勝で対戦した投手のことを覚えています。その県内で最も速いボールを投げる投手と言われた彼のMAXはなんと時速125kmだったのです。

対戦前、「125kmはさすがに速いよなあ・・」というつぶやいた声にチームメートが「バカッ、それはMAXだよ。そんな速いの捨てて、他のボールを打てばいいんだよ」・・・ですって。たった35年前まではこんな時代だったのです。

それどころか、2018年には時速150kmを投じた中学生投手まで現れる時代になりました。明らかに進化しています。

とはいっても、時速222kmはあまりにも・・・。

お願いだから、ラグビーやめませんか・・・

と想いつつもふだんから「自分がやりたいと思うことやりたいだけ」が口癖のしゆう君のパパも、この数字を見てからは

「ラグビーはケガが怖いぞお。野球の方がいいんじゃないかあ?」

「楕円球よりも、こっちの小さい白いボールの方が楽しそうだぞう?」

と、しきりに種目替えを薦めるようになったとかならないとか・・・。